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開催概要

関連プログラム

配布・出版物

本展覧会は、現代美術を軸とした絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションといったさまざまな表現を、“ゴースト”というキーワードから広げた幾つかの視点で紹介し、見えるもの・見えないものが生み出す謎めいた魅力を探ろうとするものです。

亡霊(ゴースト)のように立ち上がるイメージは、過去と未来をつなぐメディアになりうるのではないでしょうか。過去の歴史に対する批判、現代という時代の見直し、そして、未来への可能性。不確かなそれらのヴィジョンは曖昧で茫洋とした姿で立ち現れながらも、我々に新しい議論と多様な気づきをもたらしてくれることでしょう。

そのような“ゴースト”に潜む表現の「美」を、作家の豊かなイマジネーションによって浮かび上がらせることで、私たちを取り巻いている世界の見方について多くの示唆が与えられることになれば幸いです。

「ゴースト」は、過去のものでも空想でもない。
それは、私たちの視界の外側で、今この瞬間にも確かに“存在”している、もう一つのノイズである。
「ゴースト」という概念は、現代の混沌とした世界──戦争、分断、テクノロジーの脅威、環境破壊、そして人新世における絶望感──に対し、目に見えないもの、消えたもの、取り残されたもの、あるいは現在に忍び寄る過去の気配や未来の可能性の隠喩として捉えることができる。
この展覧会は、そうした“見えない存在”に目を向け、対話を試み、再び世界の一部として迎え入れることで、私たちの新たな可能性を開く場としたい。

── 本展ディレクター 南條史生

開催概要

会期2025年9月20日(土)~12月21日(日)
開館時間午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
休館日水曜日
会場アーツ前橋 ギャラリー
観覧料一般:1,000円/学生・65歳以上・団体(10名以上):800円/高校生以下:無料
*1階ギャラリーは観覧無料
*障害者手帳等をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
*「群馬県民の日」(10月28日)、「文化の日」(11月3日)は入場無料
*10月11日(土)、12月13日(土)は「多様な学びの日」のため入場無料
主催アーツ前橋
後援上毛新聞社、群馬テレビ、FM GUNMA、まえばしCITYエフエム、前橋商工会議所

出品作家

国内16組、海外4組による作品約100点

(五十音順): 岩根愛、丹羽良徳、ハラーイル・サルキシアン、尾花賢一+石倉敏明、諸星大二郎、ヒグチユウコ、平田尚也、松井冬子、新平誠洙、丸木位里・俊、竹村京、西太志、クリスチャン・ボルタンスキー、横尾忠則、諏訪敦、アピチャッポン・ウィーラセタクン+チャイ・シリ、トニー・アウスラー、マームとジプシー、山内祥太、daisydoze

本展の見どころ

1. 多様なメディウム、テクノロジーで出会うゴースト

人工知能(AI)や仮想現実(VR)などのメタバース技術は、魂や意志が生物だけに宿るという従来の前提を根本から問い直しています。いまや魂はゴーストのように漂い、機械や仮想空間へと拡散しつつあります。
本展では、先端的な技術を用いてその変容を捉えた若手作家、山内祥太や平田尚也による新作のほか、彼らの先駆といえるトニー・アウスラーによる大規模な映像インスタレーションなどを紹介します。また、新しい絵画表現を見せる新平誠洙、西太志や、マンガ界の巨匠・諸星大二郎など、多様なメディウムによるゴーストの表現が一堂に会し、人間と非人間の境界を問い直します。

山内祥太《Being… Us?》2025年
新平誠洙《Phantom Paint #3》 2025年 Courtesy of ARTCOURT Gallery
Photo : Takeru Koroda
諸星大二郎「不安の立像」より 1973年 ©諸星大二郎

2. 歴史や土地のゴーストと向き合う

戦争や政治的抑圧によって引き起こされた大量破壊と殺戮。その記憶・記録は、単なる過去ではなく、歴史の中で未解決の課題を現代の私たちに鋭く突きつけます。クリスチャン・ボルタンスキー、丸木位里・俊、ハラーイル・サルキシアン、丹羽良徳の作品を通して、私たちを揺り動かす歴史上の幽霊=ゴーストと向き合います。
ゴーストは、土地やそこに住む人々の身体にも宿ります。横尾忠則、諏訪敦、アピチャッポン・ウィーラセタクン、松井冬子、岩根愛、竹村京、ヒグチユウコの作品を通して、土地の儀礼や自然の風景、あるいは個人的体験や感情などから立ち現れる、様々なゴーストの表現に触れることができます。

岩根愛《Shosuke Nihei, Kailua Camp—Maui, Hawaii》〈KIPUKA〉シリーズより 2016年 ©Ai Iwane, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
ヒグチユウコ『Fear』より 2020年 ©HIGUCHI YUKO

3. 前橋のゴーストを探る

過去の記憶を留めた古い街並みと、再開発によって出現しつつある新しい街並みとが渾然一体となった地方都市・前橋。そして街を見下ろす赤城山で育まれた伝承文化。これらをアーティストが取材して制作した作品をアーツ前橋の内外で展開します。尾花賢一+石倉敏明は、水にまつわる赤城山の伝説を取材した新作を館内で展示。マームとジプシーは、広瀬川周辺をリサーチし、前橋空襲の生存者や製糸工場の女工たち、劇団を主宰する藤田貴大の家族の記憶など、時空をこえて河畔から浮かび上がる声をもとにインスタレーションを制作。アーツ前橋の他、前橋文学館や周辺の店舗にも作品を設置します。daisydozeは、前橋生まれの詩人・萩原朔太郎をモチーフに、ヘッドフォンの音声に導かれて市街地を巡るオーディオイマーシブシアターを展開。それぞれの試みから、前橋に潜むゴーストが浮かび上がります。

尾花賢一《赤城山リミナリティ》2019年 撮影:木暮伸也

関連企画

daisydozeによるサウンドイマーシブシアター

日時展覧会会期中(所要時間 約40分)
会場前橋市 中心市街地
参加費300円(展覧会とは別料金)
申込方法事前申込・事前決済
専用フォームからお申し込みください
その他*作品の体験には、データ通信のできるスマートフォンが必要です。

マームとジプシー《Curtain Call》街なか展示

マームとジプシーによる本展参加作品《Curtain Call》は、当館の地下ギャラリーのほか、前橋文学館オープンギャラリーなど広瀬川河畔に点在する4つのポイントをめぐる回遊型の作品です。各会場の詳しい情報は、決まり次第本HPでお知らせします。

関連イベント

ゴースト展関連イベント トニー・アウスラー 屋外プロジェクション

企画展「ゴースト 見えないものが見えるとき」に出品しているアメリカの映像作家、トニー・アウスラーの映像作品を、アーツ前橋の施設のある前橋市民交流プラザの立体駐車場の屋上の看板に投影するイベントを開催します!
「ゴースト」展でアウスラー作品を鑑賞された方には、彼の世界をもっと知るチャンスです。もちろん、「ゴースト」展を見ていない方も歓迎です。夜間の屋外プロジェクションをお楽しみください。

日時12月13日(土)午後5時~7時すぎ(雨天決行) ※当日は「ゴースト」展の観覧無料
会場前橋市民交流プラザ等駐車場 屋上(アーツ前橋が入っている建物の立体駐車場です)
内容本展出品のトニー・アウスラーの映像作品《X ergo Y》(2014年)を投影します。
作家本人が現場を確認して、選んだ作品です。上映時間25分の作品をループで計5回流します。
定員なし
参加料無料
申込方法不要
アクセスエレベーターで屋上におあがりください。
※上記の駐車場とは別の駐車場に車を止めていただく場合があります。

作家および作品解説

トニー・アウスラー(1975年 アメリカ・ニューヨーク生まれ)

アウスラーの作品はプロジェクションという技術を使って、目に見えなかった世界を可視化し、それとの対話をはかっています。彼らは亡霊のように、実体もなく、不分明で、空中に浮かびながら、ゆらゆら漂い、見るものに何かを訴えかけます。それは不可知の向こう側の世界、つまりはメタバースのように、並行して存在する別の世界の存在を示唆しています。アウスラーは、個人の興味として、多くの心霊現象の資料をコレクションしていて、我々の世界のあり方を外から客観的に見ようとしているのです。

《X ergo Y》 (2014年 25分)

2015年、アムステルダム市立美術館で最初に公開された映像作品で、同館の建物にプロジェクションされました。本作は、私たちの行動や認識のもとになる価値観、信念などから成り立っている信念体系をテーマにしています。画面には工芸品を3Dスキャンしたり、3Dのコンピュータ・モデル化したりしたイメージが、言葉と交互に登場します。その中には、古典彫刻のほか、ヴ―ドゥー教の人形やチベットのどくろなども含まれます。これらは、信念体系を表すものと見なせます。私たちが様々な信念体系によって生きていたことが示されるのです。

南條史生特別館長によるギャラリートーク

日時9月28日(日)、12月7日(日)午後2時~3時
会場アーツ前橋ギャラリー
定員30名(事前申込)
参加費無料 ※当日の観覧券をご提示ください。
申込方法専用フォームからお申込みください

学芸員によるギャラリートーク

日時9月27日(土)、10月18日(土)、11月29日(土)午後2時~3時
会場アーツ前橋ギャラリー
定員どなたでも(未就学児は保護者同伴)
参加費無料

おしゃべりアートデイズ

アーツナビゲーターとともに、気づいたことや感じたことなどをおしゃべりしながら鑑賞するプログラム。(展示中の2作品 所要時間約40分)

日時10月11日(土)、11月8日(土)、12月13日(土)午後2時~
会場アーツ前橋 ギャラリー
定員各回5名程度(事前申込)
参加費無料 ※当日の観覧券をご提示ください。
申込方法専用フォームからお申込みください

オープニング・トーク【終了】

南條史生特別館長と本展出展作家 トニー・アウスラー氏、山内祥太氏によるトークイベントです。

日時9月20日(土) 午後1時〜午後2時30分
会場アーツ前橋 スタジオ
定員30名(事前申込)
参加費無料(要当日観覧券)
*メンバーシップ会員の方は会員証をご持参ください。
申込方法専用フォームからお申込みください

田中俊行×都市ボーイズ×アーツ前橋 スペシャル怪談【終了】

アート×怪談 !!!

企画展「ゴースト 見えないものが見えるとき」開催中のアーツ前橋で、大人気の怪談師 田中俊行氏、都市ボーイズ(岸本誠氏・はやせやすひろ氏)によるスペシャル怪談イベント開催決定!! 怪談を聞いた後は、閉館後の「ゴースト」展会場を巡るナイトツアーを実施。「アート×怪談」という今までにない美術体験をお楽しみください。
※なお、怪談イベントの様子は後日、映像配信いたします。

日時11月29日(土)午後6時30分~9時(終了予定)
出演田中俊行、都市ボーイズ(岸本誠+はやせやすひろ)
内容午後6時30分~8時:スペシャル怪談
午後8時~9時(予定):「ゴースト」展 ナイトツアー
会場アーツ前橋 ギャラリーほか
定員30名(事前申込・抽選)
参加費2,000円 (現金・現地決済のみ)
申込期間10月31日(金)午後1時~11月5日(水)
申込方法こちらの専用フォームからお申込みください
https://logoform.jp/form/dWZu/1259322 ※受け付けは終了しました

出演者プロフィール

田中俊行

オカルトコレクター・怪談師・イラストレーター。幼少の頃より奇怪な物や怪談話が好きで収集を開始する。呪物コレクターとしても知られ、2022年から3年連続で開催された「祝祭の呪物展」では数々のコレクションを提供。2025年9月には「呪物蒐集録Ⅱ」(竹書房)を上梓。

岸本誠(都市ボーイズ)

放送作家として活動するかたわら、はやせやすひろと共に「都市ボーイズ」としても活動中。東京都歌舞伎町出身で裏社会にも精通し、近年では霊能力者や超能力者の取材に力を注いでいる。

はやせやすひろ(都市ボーイズ)

岡山県津山市出身。テレビ番組のADを経て、放送作家に。岸本誠と怪奇ユニット「都市ボーイズ」を結成し、Youtubeチャンネル登録者数は38万人を超える。

※この他にも、背筋が寒くなる「ゴースト」な夜のイベント企画を準備中!
 詳細は決まり次第、当館HP、SNSでお知らせします。ご期待ください!

「ゴースト 見えないものが見えるとき」カタログ

「ゴースト 見えないものが見えるとき」2025年9月20日[土]~2025年12月21日[日])の展覧会カタログ。
出品作家20組(国内16組、海外4組)の作品図版、インスタレーションビューのほか、本展に関する論考を掲載。

執筆南條史生(アーツ前橋特別館長)
井出庭(ゴースト・ライター)
翻訳イーサン・セイムス
写真木暮伸也、本間寛
デザイン芝野健太(ライブアートブックス)
編集・発行アーツ前橋
印刷ライブアートブックス
発行日2025年11月15日
判型B5判 / コデックス装 / 112ページ
言語日本語 / 英語
価格2,200円(税込)
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