アーティスト・イン・スクール (8) 2018.1.31~2.9
20180131|AIS 31日目
日時 2018年1月31日[水] 8:35~15:10
場所 桃川小学校図工室
参加者 中島、今井、木暮
アーティスト・イン・スクール31日目!記録撮影のために、カメラマン/アーティストの木暮伸也さんにお越し頂いた。肖像権に配慮し、承諾が得やすいクラスの図工の授業がまとまってある水曜日に撮影することになった。唯一全員の承諾が取れているのが3年2組だったが、なんとこのタイミングで学級閉鎖になってしまった。インフルエンザの猛威おそるべし。
プロジェクトの状況を広く伝えていくために、記録は重要である。プロに撮ってもらった写真がこのブログにも上がることで、見栄えは良くなるだろう。しかし、静止画で切り取られたものが、関わっている時間の全てを物語る訳ではないし、写真を撮影されるために準備された時間とも捉えることができてしまう。「カメラを向けられたら、ピースなどをせず自然に」とよく聞くが、自然さ/不自然さが何を指すのか考えることが、すでに不自然なことでもある。
アーティスト・イン・スクールの目的の一つには、「多様な大人に関わる機会」が挙げられると思う。その意味で言えば、僕のような長期で関わるアーティストを送り出すために、様々な大人の関わりを知ることや、その大人たちと授業を通じて出会うことは、それに当たるだろう。
そのような出会いの中で、「自然さ」を撮影することは、ある意味大人と子どもの協同とも言える。それによって誰かが傷ついているかもしれないけれど。
20180201|AIS 32日目
日時 2018年2月1日[木] 11:35~12:20
場所 桃川小学校図工室
参加者 中島
アーティスト・イン・スクールの32日目!3時間目だけの予定が、先生のご都合で4時間目に変更になった。
2月4日に南橘公民館で行うワークショップの前に小学校に来られる最後の授業だった。先日配っていただいたチラシをみんな見てくれていて、僕のプロフィール写真に対して「写真と髪型が違う」「写真の方がかっこいい」と一部聞き捨てならないが、関心を持ってもらえているようで安心した。当日来られなかったとしても、チラシを通じて内容を想像してもらったり、デザインをある意味鑑賞してもらったり、行くか行かないかを選択してもらうことも、関わり方の一つであると思う。さらにはおうちに持ち帰って、話題にしてくれればこの上ない。
20180206|AIS 33日目
日時 2018年2月06日[火] 13:50~15:20
場所 桃川小学校図工室
参加者 中島、今井
アーティスト・イン・スクールの33日目!4年生の版画。ほぼ全ての子が、下絵をトレースした版木に彫り始める。彫刻刀を使う作業は一度掘ってしまうと、修正が効きにくい。慎重に行きたいところだけど、慎重になりすぎると進まないし、消極的な画面になってしまう。失敗を恐れずに行ってもらいたいが、ぐいぐい行きすぎるとケガも出てくるから難しい。
今日は2月4日に南橘公民館でWSが行われてから最初の授業で、授業の冒頭に先生が参加した人がいるか聞いてくれた。このクラスは参加率が一番高かったかもしれない。そのためいつもに増して、フレンドリーな雰囲気になったように感じた。次回も行きたいと言ってもらえて、素直に嬉しい。中にはサポートメンバーの大学生にまた会いたいから行く、という意見もあった。その中の大学生はWS当日の振り返りで、「子どもに一度も名前を呼ばれなかった」と話していたのだけれど、名前が出て来ていたので、伝えてあげたいと思う。
また、WSには来られなかった子が、WSのチラシについて「(赤字の)間違いがいっぱいあるやつでしょ?」と話してくれた。今回のチラシは、アーツ前橋による赤字修正の一部を修正せず、赤字での修正指示をそのままデザインに取り込んだ。アートに正解・不正解はなく、一般的に間違いや失敗と言われることも、作品やデザインになりうることを示すことで、パーフェクトな大人なんていないというメッセージを伝えたかった。そこに気がついてくれて、話のネタにしてもらえた。
20180209|AIS 34日目
日時 2018年2月9日[金] 8:50~10:25
場所 桃川小学校図工室
参加者 中島
アーティスト・イン・スクールの34日目!10月以来の3年生のクラス。スチレン版画という僕も未体験、というか聞いたこともなかった課題で、スチレンボードという5mmほどの厚さのボードを、クシのような道具を使って引っかくことで図案を描いていく。先生からこの課題はお話は聞いていたけれど、なかなか来ることができず、結局1クラスの最後の日になってしまった。課題の最終日ということで、まだ刷り上がっていない子は刷り、刷り終わったスチレンボードを小さく切ってスタンプにする子もいた。終わった子からキャプションをつけていく。
スタンプづくりは、スチレンボードをカッターで切るのだが、カッターの使い方が危なっかしかったので、テクニックをレクチャーした。
このクラスには、2月4日の南橘公民館のワークショップに来てくれた男子が2人いた。彼らの版画作品はそれぞれ、ススキが広がる広大な丘をイメージさせる風景画と、ロケットが飛んでいる宇宙だった。彼らは次回のワークショップもまた行くと言ってくれた。
(執筆・編集・投稿=中島佑太、撮影=木暮伸也)