7月の活動 / 滞在制作〜展覧会オープン
7月8日(金)「滞在制作開始」
今日から前橋にて滞在制作。作品プランはまだ固まっていないが、この滞在期間中にアリスに通ってみんなと交流できたらいいな。
7月9日(土)「搬入」
午前中にアリスに行ってご挨拶。午後は施設長佐藤さんとアーツのトークに参加。留守にしている間、今日はフルメンバーが集まったらしい。みんなに会いたかったな。
7月10日(日)「死にたいと思っていた部屋」
Yさんの部屋を再現するための家具探しにYさんと高崎へ出かける。奇跡的に展示品限りの同じ椅子が手に入り二人で喜ぶ。過去に辛い思いをした部屋の再現だが、こんなにも喜びを共有しているのがどこか面白い。
7月14日(木)「死にたかった場所」
Yさんと展示の話を進めるうちに、過去に自殺をしたかった場所まで行ってみることになった。埼玉のN駅に着くと懐かしそうに案内をしてくれる。撮影では『もっと線路を入れたほうが』など彼女からも助言、何度も撮影をし直し、ベストの一枚を二人で話し合う。内容とは別に笑いの絶えない撮影に不思議な気持ちになる。帰り際、「過去の自分を卒業できた気がします」と言ってくれた。
7月16日(土)「ゆるい空気」
展示も忙しくなってきた。その合間を縫ってアリスへ、ついついのんびりしてしまう。
7月17日(日)「一緒に作る」
アリスの数人がアーツに来てくれる。兼ねてからやりたかったシャツ作りを一緒にする。慣れない手つきで大工仕事も手伝ってくれる。少しでも一緒に作れてよかった。
7月20日(水) 「展示が間に合わない」
展示作業が間に合わなくなってきた。というのも直前での変更を入れてしまったからだ。展覧会場の全容が見えて来ると、どの展示もテキストが多い。そうなるだろうと予想はしたが、これでは最終の部屋となる僕の展示室で長文テキストの配布はうんざりだろう。そこで短いテキストをカッティングで壁に貼ることにした。しかし、カッティング文字の剥がし作業が間に合わないため、藁にすがる思いでアリスに連絡をした。「間に合わないから手伝って!」アリスに行くと数名のボランティアさんがすぐに作業に取り掛かってくれた。しばらくすると、それを聞いたかのように次から次へとメンバーがアリスにやってくる。手先が器用なO君は「つまようじを使うと、、いいみたい、ですよ。」と、初めての作業にもかかわらず職人のような手さばきを見せてくれた。それから難しい字はO君のところに集められた。細かな作業が苦手なYちゃんはブツブツと「仕方ないなあ」と手伝ってくれている。その文字はガタガタで、後で見たら紛失した文字を自作してごまかしていた。アリスでの剥がしが終わるとすぐに展示室に持ち帰り、夜半までかかって美術館スタッフが総動員で壁に貼ってくれた。少し崩れた文字、ガタガタな文字、そこにはアリスのメンバーにしかわからない裏話があって、ニヤリとする。お客さんにはわからないことで申し訳ないが、すごくいい文字ができて満足だった。
7月21日(木) 「展示オープン」
しばらく会っていなかったMちゃんがT君・Yさんとアーツに来てくれる。作りかけの壁にメッセージと絵を書いてくれる。展覧会場に全員が関わり明日のオープンを迎えられた。
(滝沢達史)