ゆったりアーツ15 川のほとりのアートフェス River to River
ゆったりアーツ15 川のほとりのアートフェスRiver to River
アリス美術部で開催するアート鑑賞会「ゆったりアーツ」の15回目。
今回はアーツ前橋ではなく、前橋の街中で展開されている「川のほとりのアートフェスRiver to River」に出かけてみた。
前橋商店街の周辺に6会場9作家の展示が行われており、アーツ前橋でも馴染みの作家が出展しているとあって、出かけるのが楽しみな企画である。
ゆったりアーツは10ヶ月ぶりの開催で、いつもながら何人集まるのか、誰が来るのかも分からず、なかば一方的なお知らをしているのだが、今回はいつも以上に返信が多く、欠席の連絡もわざわざくれたりして嬉しい。
そういえば、アリスのメンバーは直前の連絡が多い。その日参加したMさんが「体調が不安定で、直前の連絡ですみません。」とポツリ、「今日も来るのがやっとで、みんなの顔だけ見れたら帰ろうと思っていました。」と話してくれた。アリスのみんなにとっては、メールをするのも、参加するのも、がんばってくれているんだなと改めて。
当日の参加は久しぶりのO君、最年少小学3年生のNちゃん、Mさん、Mちゃん、遅れてやって来たKさんの5名。
(後から連絡をくれたMさん、メールに気づかなくてごめんなさい!)
15回もやってるけど、最初はいつも少し緊張する。僕が緊張するのだから、みんな相当緊張してやってくるんだろうな。
久しぶりの人たちに会えて嬉しい。
アーツ前橋を出発して前橋商店街に向かう。この日は何かの催しをしており、人がやけに多い。
騒々しい商店街を通り抜けながら、みんな平気かなと思っていると、O君が屋台を気にしながら「自分、昼食べてないんですよね、、。
なので、少し気になります。」とポソリ言う。ほっとする。
会場を移動する途中、広瀬川を眺めながら近況などをポツポツと聞く。
ゆったりアーツは、作品を見る合間に交わす会話がとても大切で、作品の合間ゆえのリラックスできる時間があるように思う。
River to Riverは、圧巻の佐々木耕成さんの展示をはじめ、どの会場も素晴らしかった。
個人の内面が表出されたヒリヒリとする感じがあって、みんなも自分の日常と重ねているかなと思う。
前橋を離れてからも、あの時の光や時間がまだ体に残っている。
この日も3時間ほどの鑑賞の合間に一人ひとりと話をした。
嬉しい成長、変わらぬ日常、出口の見えない辛い日々もある。
ただ、それを聞く。
作品を通して作家の内面に触れながら、アリスの人たちの生活に触れる。
作品と人、人と人、それが揺らぎのように交錯しながら、時間感覚がゆっくりになる。
僕にとっての「ゆったりアーツ」は少し白昼夢のようで、普段見る作品鑑賞とは異なる時間が流れている。
アリスの人たちと巡る会場の光は、とても神々しく思える。
川のほとりの日々の営み、胸のあたりにざわざわを残しながら、光が美しいなあと思っている。
(執筆:滝沢達史)
12月11日(土)13:00~16:00
参加者10名(アリスの広場:若者5名、保護者1名、アーツ前橋3名、上毛新聞取材1名)
川のほとりのアートフェスRiver to River