滞在制作のアイデア共有
アーツ前橋では、「竪町スタジオ」を拠点として国内外よりアーティストを招聘して、滞在制作事業を行っています。これまで22組のアーティストを招聘してきました。
2020年度は海外との交流プログラムとして、昨年度から継続して国立現代美術館 レジデンシー・コヤン(MMCA Residency Goyang/韓国)との二国間交流プログラムに加え、新たにカンドゥー近代美術館(Kuandu Museum of Fine Arts/台湾)とのプログラムも開始する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響をうけ、交流先との話し合いの結果、本事業を延期することを決定いたしました。
滞在制作事業に参加する予定だった作家にとって、制作する機会と、それを発表する場を失ったことは大変な打撃となりました。そこで、彼/彼女の考えを少しでも多くの人に知って欲しいと考え、それぞれの滞在先で実施する予定だったアイデアや、これまで行ったレジデンスの経験、また自身の制作について執筆いただきました。
彼らのアイデアに触れることで、海外との交流から生まれる閃きの重要性について知ってもらえたらと思っています。
※二国間交流プログラムとは、各美術館とアーツ前橋がそれぞれ自国の作家を推薦し、交流先に派遣して滞在制作を行ってもらう、交換滞在制作プログラムです。
※2020年度は、「アーツ前橋の事業(展覧会、地域アートプロジェクト、ラーニング)に参加する作家」「地域へのアプローチ/対話・参加・協働のプロセスを重要視し、地域や社会などのコミュニティー(大小を問わない)が持つ問題や制度に変革をもたらすことを目的とするプロジェクトを行う作家」の2点の基準のもとアーティストを複数名推薦し、国立現代美術館 レジデンシー・コヤンとカンドゥー近代美術館が最終選考しました。先方からアーツ前橋への派遣作家も同じ手順を踏んでいます。
【国立現代美術館 レジデンシー・コヤンへの派遣アーティスト】
■石塚まこ(ISHIZUKA Mako)
滞在予定先:国立現代美術館 レジデンシー・コヤン(MMCA Residency Goyang/韓国)
これまでの制作について/滞在先での制作アイデア:【PDF】(日本語)【PDF】(English)←こちらからご覧になれます。
プロフィール
兵庫県生まれ。日本で総合文化(思想・文化・社会学)を、ヨーロッパで自由美術を学ぶ。ルンド大学マルメ・アート・アカデミー(スウェーデン)修了。ストックホルムと西宮を拠点に活動。インスタレーション、アクト、社会プロジェクト、随筆など多様な表現形式をとりながら、さまざまな社会で「他者」として暮らした経験や好奇心、想像力を足掛りに、世界の大きな動きと日常の交叉点に浮かび上がる物理・心理的「隔たり」への介入を試みる。近年の活動に、リガ国際文学フェスティバル(ラトヴィア)、「文字の動きと言葉の行為」(バッグ・ファクトリー、南アフリカ)、「所作の敷衍」(クンストハレ・エクスナーガッセ、オーストリア)、「グローバリゼーションの中の不和」(フランス国立社会科学高等研究院)、「デイジーチェーン」(TOKAS本郷)、「MOTサテライト むすぶ風景」(東京都現代美術館)、「Art Meets 03 石塚まこ|康(吉田)夏奈」(アーツ前橋)、「ザ・ニュー・ヴィジョン」(ポーラ ミュージアム アネックス)など。
【カンドゥー近代美術館への派遣アーティスト】
■阪中隆文(SAKANAKA Takafumi)
滞在予定先:カンドゥー近代美術館(Kuandu Museum of Fine Arts/台湾)
これまでの制作について/滞在先での制作アイデア:【PDF】(日本語)【PDF】(English)←こちらからご覧になれます。
プロフィール
1989年 東京都生まれ。2013年 多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。主な個展に「wandering in atopia」(国際芸術センター青森、青森、2020)、「スーパープレイ」(Token Art Center、東京、2019)、「outdoor」( map、群馬、2019)。主なグループ展に「引込線/放射線」(埼玉、2019)、「多世界」(ギグメンタ2016、文房堂ギャラリー、東京)。その他「OPEN CALL:CALL for OPEN」(国際芸術センター青森、2020)やflax art studios、(ベルファスト、2016)などでレジデンスの経験がある。
【カンドゥー近代美術館からの招聘アーティスト】
■ リャンシェン・チェン(CHEN, Liang-Huan)
滞在予定先:アーツ前橋 竪町スタジオ(カンドゥー美術館からの受け入れ)
日本で行ったレジデンスの経験について:【PDF】(日本語)【PDF】(English)←こちらからご覧になれます。
プロフィール
台北を拠点に活動する映像作家。異なる時間の断片を接続するための時空移動を試みるような作品を制作している。チェンの物語性や音のイメージを反映させた空間インスタレーションや、実験的なドキュメンタリーとホームビデオを融合させる彼女のアプローチは、日常生活と台湾人としてのアイデンティティと個人的な記憶が混ざり合う超現実状態を生み出す。主な個展に「Chen, Liang-Hsuan Solo Exhibition: Activities From Underground」(Haiton Art Center、台湾、2019)、主なグループ展に「Dumbo Open Studio」(NY、 アメリカ、 2020)、「 Between Earth and the Sky」(台北市立美術館、 台湾 、2020) 、「Trans2018-19」(秋吉台国際芸術村、山口、2019)、「2017 Taipei Arts Award」(台北当代芸術館、台湾、2017)
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