前橋身体論 早春ゼミナール2019【終了】
2019.02.02 - 2019.03.21
身体の芸術推進実行委員会は、アーツ前橋と共催し、アーツ前橋の企画展「闇に刻む光 アジアの木版画運動1930s-2010s」に連動して、新しいスタイルの学びの演劇「前橋身体論 早春ゼミナール2019」を上演します。
『学びと身体を民主化しよう』
わたしたちの社会では今、様々な価値観、労働のあり方、性への認識などにかつてない多様化が進み、これまでのやり方ではうまくいかないことがたくさんあります。学びもそのひとつです。学校に限らず社会での学びのあり方を解放すること。それをわたしたちは「学びの民主化」と呼び、これを表現する方法として「様々な身体表現を学ぶ演劇」を考えました。それが『前橋身体論 早春ゼミナール 2019』です。音楽、ダンス、演劇、朗読、パフォーマンス。からだを使って芸術表現するとき、わたしたちは手法の先でからだが解き放たれた自由を感じています。圧政の中で木版画が持たざるものたちの抵抗の術になったこと。そこに荒々しくも繊細に木板を刻み込む「手つき」を想像せずにはいられません。わたしたちの身体表現もまた、個別で不器用なからだを外の世界へ解き放ちます。それを「身体の民主化」と呼ぶなら『前橋身体論 早春ゼミナール 2019』は学びと身体を同時に民主化します。
●カリキュラム
カリキュラムはアーツ前橋の「闇に刻む光」展から学ぶ研修型講座の「レクチャー」、そしてそこから講師陣それぞれのゼミに分かれて学ぶ演習型講座の「ゼミナール」の二段階構成です。卒業式はありませんが展覧会の会期末には「フォーラム」を開催し、みんなで学びを分かち合います。ここには従来の演劇でいう脚本や劇場は存在しません。演劇はフィクションの中で真実を伝えることができるという概念だけがあるのです。
「前橋身体論 早春ゼミナール2019」にある3つの学び
●「レクチャー」から始まる獲得する学び
「闇に刻む光」展は木版画が美術の世界を超えてアジアの政治・社会運動の中で重要な役割を果たしたことをとりあげていますが、この展覧会をより深く理解するために「レクチャー」をプログラムしました。展覧会の意図をキュレーターから直接聞く「黒田雷児オープニング・トーク」、展示された木版画作品に描かれた事件を扱った映画の鑑賞会、そして実際に木版画を制作するワークショップなど、楽しみながら知る、理解する、感じるためのレクチャーです。
●「ゼミナール」は身体化する学び
「ゼミナール」はこの学びの中心です。知識はただ頭で知るだけでは身になりません。ゼミナールはレクチャーで獲得した知識を表現行為や活動へと解き放つことで身体化し定着させ、さらに活用するプログラムです。各担当講師役がレクチャーへの応答としてその専門性を発揮、各ゼミに分かれて協働でわいわい作品制作をしたり対話を重ねて表現に関わる活動を授業として展開します。講師役は前橋周辺から集まった身体表現の専門家集団、身体の芸術推進実行委員会の委員がつとめます。リーディング演劇、ダンス、音楽、パフォーマンスなどバラエティにとんだユニークな身体表現の授業から選べます。
●「フォーラム」はわかちあう学び
最後の学び「フォーラム」はまさに声のアリーナ、参加した全員が一堂に会し言葉を交わす即興演劇のような学びになるでしょう。互いの作品や体験を振り返りながら新しい人や表現との出会いの場面。そのころには語るべきダイアローグは既に心にたくさん刻まれているはず。この演劇はここまでです。続きは…。
―――――――――――――――――【開催概要】―――――――――――――――――
事業名:前橋身体論 早春ゼミナール2019
会 期:2019年2月2日(土)~3月21日(木・祝)の間の
2月2日(日)、9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)、16日(土)、17日(日)、
23日(土)、24日(日)、3月3日(日)、10日(日)、15日(金)、16日(土)、
17日(日)、21日(木・祝)計14日間
会 場:アーツ前橋/前橋市中央公民館/前橋文学館
参加費:カリキュラムにより異なる
主 催:身体の芸術推進実行委員会
共 催:アーツ前橋
構成/演出:小出和彦
出演者/スタッフ:岡庭涼(DJ)、小出和彦(劇作家・演出家)、坂川善樹(演出家)、中村ひろみ(演出家・役者)、村田峰紀(パフォーマー)、山賀ざくろ(ダンサー)、山本千愛(アーティスト)、阪中隆文(アーティスト)、新井隆人(詩人)
広報デザイン:荒木聡志(灰ホトラ)
協賛:アサカタクシー、合同会社 前橋文化計画
協力:前橋シネマハウス、マエバシユーレー
―――――――――――――――――【カリキュラム】―――――――――――――――――
【レクチャー】
●レクチャー01 アーツ前橋「オープニング・トーク アジア近代美術の伏流 抵抗と解放の木版画運動」
講師:黒田雷児(福岡アジア美術館運営部長)
2月2日(土) 14:00~16:00 アーツ前橋 スタジオ 参加費無料 定員40名
「各時代・地域の出来事に反応する「民衆芸術」としての木版画の魅力と、印刷物など多様な手段による情報発信力に注目して、絵画や展覧会からは見えてこない近現代美術史の新しい見方を提案します」(「闇に刻む光」展広報より引用)
※こちらはアーツ前橋のイベントになります。
※定員になりましたので申し込みは終了しています。
●レクチャー02 アーツ前橋「学芸員によるギャラリーツアー」
2月9日(土) 13:00~14:00
アーツ前橋 地下ギャラリー
参加費無料(要観覧券)
アーツ前橋総合案内前に集合
※こちらはアーツ前橋のイベントになります。
●レクチャー03 木版画制作ワークショップ「ホレホレホレ“スレ”」
講師:佐野広章(桐生大学アート・デザイン学科講師)
2月11日(月・祝) 13:00~16:00
アーツ前橋スタジオ
参加費1000円
定員20名
版画制作アーティスト佐野広章さんの指導で実際に木版画を彫って刷るワークショップ。
佐野広章/SANO Hiroaki
1999年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了、2001年〜版画学会会員、2011年〜日本版画協会会員、2017年〜群馬版画家協会理事、2004年“FABIO BERTONI” INTERNATIONAL ENGRAVING AWARD 5th EDITION (Italy)【Third Prize】、2005年飛騨高山木版画ビエンナーレ【協賛賞】、2005年プリンツ21グランプリ展【スポンサー賞】、2005年第73回日本版画協会展【準会員佳作賞】、2009年2nd Guanlan International Print Biennial 2009 (China)Guanlan International Print Prize】、2017年第61回CWAJ現代版画展【2017年CWAJ現代版画展賞】、2008年養清堂画廊(東京/銀座)で個展開催
※応募方法はメールのみ、1メール1講座。講座前日まで。件名に「受講希望」、本文に希望講座名・氏名・年齢・電話番号記載。メールアドレス:shintai2018@gmail.com
●レクチャー04 「映画『タクシー運転手』と『闇に刻む光』展鑑賞ツアー&感想会」
ファシリテーター:小出和彦(劇作家・演出家・ワークショップデザイナー)
2月16日(土) 10:00~14:00くらい
参加費 1300円
定員20名
映画「タクシー運転手 約束は海をこえて」は1980年韓国で起こった光州事件を扱った映画です。「闇に刻む光」展ではその歴史的事件をテーマにホン・ソンダムが製作した版画の展示も見られます。ツアー後感想会で楽しく語り合いましょう。
※応募方法はメールのみ、1メール1講座。講座前日まで。件名に「受講希望」、本文に希望講座名・氏名・年齢・電話番号記載。メールアドレス:shintai2018@gmail.com
●レクチャー05 「映画『1987ある闘いの真実』と『闇に刻む光』展鑑賞ツアー&感想会」
ファシリテーター:小出和彦(劇作家・演出家・ワークショップデザイナー)
3月3日(日) 13:25~17:30くらい
参加費 1300円
定員20名
映画「1987 ある闘いの真実」は1987年ソウル大学の学生が拷問致死した事件をきっかけに韓国全土で民主化闘争へと発展した出来事を描いた映画です。「闇に刻む光」展とともに民主化のため闘った人々の想いに触れる試み。ツアー後感想会でも語り合いましょう。
※応募方法はメールのみ、1メール1講座。講座前日まで。件名に「受講希望」、本文に希望講座名・氏名・年齢・電話番号記載。メールアドレス:shintai2018@gmail.com
●レクチャー06 アーツ前橋「学芸員によるギャラリーツアー」
3月10日(日) 13:00~14:00
アーツ前橋 地下ギャラリー
参加費無料(要観覧券)
アーツ前橋総合案内前に集合
※こちらはアーツ前橋のイベントになります。
【ゼミナール】
※ゼミナールの応募方法はメールのみ、1メール1講座。講座前日まで。件名に「受講希望」、本文に希望講座名・氏名・年齢・電話番号記載。メールアドレス:shintai2018@gmail.com
●岡庭ゼミ 「KING OF OPUS feat 石坂亥士 ライブパフォーマンス」
「闇に刻む光」展にインスパイアされて「KING OF OPUS feat 石坂亥士 ライブパフォーマンス」を開催します。KING OF OPUSのエレクトリック・エキゾ・ダブという唯一無二の音楽ジャンルに石坂亥士による世界各国の楽器演奏が加わり、類い稀なる演奏が披露されます。
日時:2月24日(日)13:30~14:30
会場:アーツ前橋 地下ギャラリー2
参加費:無料(2月24日は観覧料無料)
KING OF OPUS
唯一無二のエレクトロニック・エキゾ・ダブの最高峰にして、 ド不良DUB永遠のマスターピース。1992年、冨沢仲を中心に結成。2018年10月3日 4thアルバム KING OF OPUS/KING OF OPUSリリースし(歌モノ、ラップ、インスト曲含む全15曲+リミックス1曲)、2018年ロスアプソン年間チャート24位にランクインした。
石坂亥士/ISHIZAKA Gaishi
神楽太鼓奏者・打楽器奏者として国内外を問わず、即興演奏のソロからセッション、舞踏、奉納演奏、劇中音楽までジャンルレスな活動を展開。母の郷里の津軽で、幼少の頃より様々な芸能をはじめ、イタコの儀式に触れた事が現在の音の原風景となっている。神楽太鼓を主軸に、世界各地の民族打楽器を自由に操る稀なスタイルで、スリリングな即興演奏を得意としている。撮影:Norihiko Izumiya
●山賀ゼミ 「ざわつく身体を探る◎版画作品鑑賞+ダンスワークショップ」
今にも動き出しそうな強度のある人物描写。今回の版画展の作品群はダンスの宝庫です。版画に刻まれた表情や姿から発せられるメッセージを読み取り、身体の動きに移し替えてみます。まずはギャラリーで皆で対話しながら作品を鑑賞。その後隣接する中央公民館のスタジオで、版画の人物のポーズや表情を真似するところからダンスの生成を試みます。
日時:2月23日(土)・3月17日(日) 13:00〜16:30
会場:アーツ前橋 地下ギャラリー・中央公民館 スタジオ
対象:高校生以上
定員:各回10名程度(両日の参加可能)
参加費:無料(要展覧会鑑賞券)
●村田ゼミ 「検閲しようよ」
「闇に刻む光」展のテーマ「木版画によるアジアの民主化運動」をきっかけに光州事件について勉強しました。悲惨な事件を知ると共に“検閲”という行為がよくわかりませんでした。ゼミで検閲についての知識を高めます。今回は実際に検閲のルールを決め行う側に立ってみようと思います。それによって何が起きるのかを皆様と共有できれば幸いです。毒をもって毒を制しましょう。
日時:2月9日(土)15:00~18:00
会場:アーツ前橋 スタジオ
定員:10名
参加費:無料
●中村ゼミ 「戯曲で学ぶアフガニスタンとリーディング公演『修復不能』 」
ゼロから学び合うアフガニスタン!「闇に刻む光」展のテーマ「木版画によるアジアの民主化運動」に連動しつつ、知らせづらい、広がりづらい、悲惨な体験や思い(10のエピソード)を「言葉」で伝えようとする「紛争地域から生まれた演劇」を声に出して読みながら、学びます。3月16日の出演者は、参加者のみなさんと相談しながら決めていく予定です。受付や会場係等としても積極的にご参加下さい。
『修復不能』アフガニスタン人権民主主義連盟(AHRDO)によるドキュメンタリー演劇・2010年初演(アフガニスタン)/日本でのリーディング初演:2013年12月国際演劇協会(ITI)日本センター主催「紛争地域から生まれた演劇シリーズ5」
勉強会&戯曲読み合わせ(全5回)
日時:2月10日(日)・17日(日)・24日(日)・3月3日(日)・10日(日) 11:00~13:30 ※2月17日のみ13:30~17:00
会場:アーツ前橋 スタジオ ※2月17日のみ中央公民館 406スタジオ
定員:30名(1回のみの参加可能)※岩波新書『アフガニスタン 戦乱の現代史』を購入の上参加。
参加費:1回300円(あるいは通しチケット1000円)
公開リハ
日時:3月15日(金)18:00~21:00
会場:前橋文学館 3階ホール
参加費:300円(あるいは通しチケット1000円)
リーディング公演&ラウンドテーブル(全2回)
日時:3月16日(土)11:00~13:00,17:00~19:00
会場:前橋文学館 3階ホール
参加費:通しチケット1000円
企画協力:(公社)国際演劇協会日本センター
【フォーラム】
参加者で集いながら、レクチャーやゼミナール、「闇に刻む光」展を含め、互いの作品や体験を振り返りながら、語り合います。新しい人や表現との出会いの場作りをします。
日時:3月21日(木・祝)14:00~16:00
会場:アーツ前橋 スタジオ
参加費:無料
―――――――――――――――――お問い合わせ―――――――――――――――――
「前橋身体論 早春ゼミナール2019」へのお問い合わせは下記までお願いします。
問い合わせメール:shintai2018@gmail.com